「健康経営(けんこうけいえい)」に関心が寄せられています。
- 全社員参加の研修会開催
- 保健師を配置し社員の健康フォロー体制の整備
- 健康マイレージなどのインセンティブを導入
等々、様々な取組実績が報告されていますが、その多くは大手企業における事例です。
全会社数の99%を占める中小企業にとって、「健康経営」は縁の遠い話なのでしょうか?
そもそも、「健康経営」とは?
「健康経営」を商標登録している特定非営利活動法人健康経営研究会によれば、「健康経営」とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること、とされています。
また、株式会社日本政策投資銀行においては、「従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法」と定義されています。
「健康経営」にかかる取組の経緯は?
その始まりは、アメリカの経営学と心理学の専門家であるロバート・H・ローゼン(Robert H. Rosen)の提唱によるとされています。(『The Healthy Company』〔米国、1992〕)
日本においては、福利厚生としてではなく、企業の持続的な成長に向けて従業員の健康維持・増進を推進する取組は未だ日が浅く、政府の取組は2013年6月14日の『日本再興戦略』〔首相官邸〕(国民の「健康寿命」の延伸)から本格化したとされています。
その後、2015年3月25日に経済産業省と東京証券取引所が共同で「健康経営銘柄」22社を選定 、2015年5月18日には経済産業省の主導の下で『アクションプラン2015』〔次世代ヘルスケア産業協議会〕がとりまとめられ企業や健康保険組合に健康経営を促進、また、2015年12月1日からは労働者数50名以上の事業場においてストレスチェック制度の実施が義務付けられています。(労働安全衛生法)
「健康経営」の効果
企業が従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組むことは、
・従業員 の活⼒向上や⽣産性の向上
・組織の活性化による業績向上や株価向上
・国民の生活の質の向上
・国民医療費の適正化
につながると期待されています。