厚生労働省は、時間外労働などに対する割増賃金が支払われていないことを是正指導した結果について、取り纏めたうえで公表しています。
これは、全国の労働基準監督署が、労働者からの申告等に基づいて、企業へ積極的に監督指導を行った結果です。また、監督指導の対象となった企業は、賃金不払残業の解消に向けた取組を行っています。
是正企業数:約1,350企業
支払われた割増賃金合計額:約99.9億円
対象労働者:約93,000人
割増賃金の未払いは、当該労働者やその家族の経済的な損失にとどまらず、労働コストを違法な手段で抑えて市場における競争を行うという不公正な行為でもあります。
労働基準監督署による是正に向けたより一層の取組を期待します。
厚生労働省が、「働き方改革」の取組を進めるため、皆様からのご意見を募集しています。
等々、皆様のご意見を厚生労働省に届けましょう。
私も意見を寄せたいと思っています。
【募集期間】:1月13日(金)から1月27日(金)まで
【募集方法】:電子メールか郵便
詳しくは
→http://www.mhlw.go.jp/…/seisakunitsui…/bunya/0000148320.html
労働基準法は労働条件の最低基準を定めていますが、いわゆる「管理監督者」には労働時間、休憩及び休日に関する規定を適用しない旨も定めています(41条)。ここで重要となるのは「管理監督者」の範囲です。なぜなら、「管理監督者」を広く認めれば、労働基準法の守備範囲を狭めることとなるからです。
管理監督者:「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な関係にある者」が該当し、部長、店長、工場長などの名称ではなく、実態で判断されます。
さて、労働基準監督署に確認したところ、「管理監督者」性を厳格に当てはめて当該企業に行政指導を行うことはしないとのこと。(労働基準法の趣旨を現実社会に厳格に適用すると、労働基準法違反の企業ばかりになってしまうので、現実に寄り添っているとも。。。)
労働基準監督署が監督官庁としての役割を全うし得るよう、労働基準法を厳格に適用する旨の政治的な決断と労働基準監督官の増員とが必要ではないでしょうか。然もなくば、国が企業の労働基準法違反にお墨付きを与えていることとなりかねません。最早、そのような時代ではないと思います。